所詮、お前は井の中の蛙だ

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【クラシック】秋に聴きたいクラシック曲

夏が終わり空気が澄んで過ごしやすくなる秋。「芸術の秋」とも言われるようにこの時期は本でも読みながらゆっくりクラシックを聴こうかなという気分になります。今回はそんな秋に聴きたくなるクラシック曲を紹介してみようと思います。

なお、バイオリンをはじめとする弦楽器にいささか愛が偏り気味のラインナップになっています。弦楽器の秋らしい響きを皆様もご堪能いただければ幸いです。

 

◆秋に聴きたいクラシック曲◆

 

ヴィヴァルディ /『四季』より -秋-

ド定番をトップに置いてみました。爽やかな秋晴れの日に聴きたくなる曲です。今より300年ほど前のバロック時代に作曲されたこの曲は、実はヴァイオリン協奏曲で3楽章構成なのですが、どれも短くて聴きやすいのがいいところ。1楽章から3楽章まで聴いても演奏時間は10分ほどです。最も有名なのが1楽章。軽快なソロバイオリンと他の楽器の掛け合いが収穫の秋を喜ぶようでなんとも楽しそう。ちなみに私は3楽章が好きなのですが、ガチの狩人が獲物(獣)を追いかけ仕留めるまでの情景なのだとか。聴いた印象は軽やかな踊りって感じですが何気に残酷な曲なのですね。

明るく伸びやかな音が持ち味のパールマンを載せておきます。楽天から視聴できます。

レスピーギ / リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲

しっとり落ち着いた秋にぴったりの曲です。4つの曲で構成されており、演奏時間はトータルで20分ほど。バロック時代にリュートという楽器向けに作られた曲を19世紀にレスピーギが編曲したものです。特におすすめなのが1曲目のイタリアーナと3曲目のシチリアーナ。冒頭からどこか懐かしいメロディーが心を揺さぶってきます。物悲しさと、でも優しい温かさもあり、それはまるで秋の夕日のよう。アマチュアの弦楽アンサンブルでもとても人気のある曲ですね。

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ウォーロック / カプリオール組曲

こちらも弦楽アンサンブル界隈で人気な曲ですが、一般的にはマイナー曲かもしれません。でも冒頭からめちゃくちゃかっこいいメロディーなので是非聴いてほしい!低音厚めの弦楽器の響きが渋く、秋にぴったりです。この曲は全部で6つの曲で構成されていますが、一つ一つが短く、演奏時間はトータルで13分程度。馴染みやすいメロディーに魅せられて、あっという間に聴けます。

ブラームス / 弦楽五重奏曲 第1番

秋といえばブラームスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。渋くて重厚で、秋というより"晩秋"が似合う作曲家ではありますが、ここでは少し明るめの弦楽五重奏の第1番を持ってきてみました。オススメは1楽章。通常の弦楽四重奏ヴィオラをもう1本足しただけなのに、元々厚みのある音作りが上手なブラームスの手にかかると、こんなに音の響きが変わるのか!と驚きます。深く分厚い弦楽器の響きと暖かいメロディーは、穏やかな秋の日差しに包まれているかのようです。演奏時間は1楽章のみだと約10分、全体だと25分ほど。ブラームスは弦楽五重奏だけでなく、六重奏も書いていて、そちらはさらに分厚い響きが堪能できます。中低弦の魅力を知っている作曲家っていいですよね。

ボロディン / ダッタン人の踊り

オペラ「イーゴリ公」の一部で、CM等にも使われる有名な曲です。本来オペラでは合唱付きなのですが、オーケストラでは合唱なしで演奏されることが多いですね。特にオススメなのが「序奏」から「娘達の踊り」にかけての3分弱。フルートとクラリネットの掛け合いから始まり、お馴染みのメロディーをオーボエが情感たっぷりに吹く頃には思わず涙腺が。オーボエって素朴でなんて素晴らしい音色の楽器なのでしょう。"ダッタン人"はモンゴル系の遊牧民族だったとか。雄大に広がる草原で伸びやかに歌うようなメロディーは、どこか懐かしく、心を震わされます。ちなみにボロディンの本職は化学者で、作曲は副業みたいなものだったとか。片手間にこんな美しい音楽を作ってしまうなんて驚愕です。

グラズノフ バレエ音楽『四季』

グラズノフって誰?という人も多いかもしれませんが、ロシアの作曲家である彼はヴァイオリン協奏曲を残しており、ヴァイオリン界隈では名が知れている存在です。またボロディンの弟子でもありました。そんなグラズノフが作曲したバレエ音楽『四季』。もちろん秋だけ聴いてもいいのですが、これはできれば4シーズンとも聴いてほしい!(トータルで聴くと45分)。というのもこの『四季』という曲、なんと冬から曲が始まって、秋がクライマックスなのです。そして、秋だけ抜き出すとド派手なお祭りどんちゃん騒ぎ。「いや、もっと落ち着いた曲を聴きたいんだよ、秋は」って思っちゃうんですけど、違うんです。吹雪舞うロシアの冬、雪が解け花が咲く春、暖かい風が吹いて川が緩やかに流れる夏、それらを経てやっと訪れる豊かな実りの秋。冬から通して聴くことで、この土地ではなぜ秋をこんなにも盛大に歓ぶのかがわかるのです。ちなみに秋単体で聴くと10分ほどで、オススメは小アダージョ。空気の澄んだ星空を見上げるような美しさが、秋の素晴らしさを際立たせています。

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チャイコフスキー / ヴァイオリン協奏曲

数多くあるヴァイオリン協奏曲の中で、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は傑作と呼ばれる作品の一つです。チャイコフスキーらしいロマンティックさと情熱が溢れる第1楽章。独奏ヴァイオリンが奏でる温かく優しいメロディーは、肌寒くなってきた秋に見つけた陽だまりのよう。物悲しい2楽章もそこはチャイコフスキー。静かな中にも熱い感情が見え隠れ(むしろダダ漏れ?)。演奏時間は全体で40分弱ほど。少し長いですが、美しいヴァイオリンの音色が奏でるチャイコフスキーの世界は、うっとりする幸せな時間をくれることでしょう。

私が贔屓にしているオイストラフを載せておきます。ハイフェッツよりオイストラフ派です。楽天から視聴できます。

ドヴォルザーク / 交響曲 第8番

ドヴォルザークといえば交響曲第9番新世界より」が有名ですが、第8番も負けず劣らず素晴らしく、とても人気のある曲です。第9番はなんとなく洗練され過ぎている気がして、第8番の方がドヴォルザークらしい土臭さを堪能できます。冒頭からチェロが奏でるメロディーがさっそく哀愁たっぷりで、「あぁ、やっぱドヴォルザーク最高!」と。これをチェロに弾かせてくれるのが、素晴らしいよね。(ちなみに4楽章の最初にもチェロにめっちゃいいメロディーがある)。ドヴォルザークは自身がヴィオラ奏者だっただけあり、弦楽器の魅力を引き出すのが上手です。2楽章には美しいヴァイオリンソロがありますし、3楽章の冒頭の感傷的なメロディーも我らがヴァイオリンですしね!

セルの録音を載せておきます。1楽章冒頭のチェロがたっぷりめで良いです。楽天から視聴できます。